論文抄読会、読書会、ジャーナルクラブ、輪講など、呼び方は研究室によって様々だが、「英語論文を読み、その内容を資料にまとめて発表・討論する」という機会は理系大学生・院生であれば必ず訪れると思う。
研究室によっては「インパクトファクター〇点以上」とか「Nature, Cell, Science及びその姉妹誌に掲載された論文」等の制約があったりして、最適な論文選びに苦労することも多い。頑張って論文を読んで資料を作ったのに「そこは解釈が違うんじゃないか」とか「それで、何が面白いの?」と指導教官や先輩にツッコまれて困ってしまうという経験をした学生は非常に多いんじゃないだろうか。
そこで今回は、筆者がよく情報収集や論文探しに利用する日本語のサイトを3つ紹介したい。
その1.理化学研究所HP:プレスリリース

国内の大学や研究機関の最新研究成果を発信するプレスリリースは、多くは専門の広報担当が書いているため、その分野の専門的知識を持たない人にもわかりやすいように書かれているのが普通である。
その中でも筆者が特にわかりやすいと感じているのは「国立研究開発法人 理化学研究所」のプレスリリースだ。用語の解説が充実しており、新たに発見された知見についてはイラストや写真つきでわかりやすく説明されるので、内容を理解するのもたやすい。分野も理系分野ほぼ全てを網羅しているので、どの分野の学生でも利用できるページだ。
その2. ライフサイエンス新着論文レビュー

こちらは「生命科学分野」の「Nature, Cell, Science」をはじめとするトップジャーナルに掲載された「日本人研究者が筆頭著者」の論文について、”著者自身”が日本語でレビューを書いたものをまとめているページである。
著者自身がレビューを書くため第三者のバイアスがない解釈を知ることができ、対象となる論文もハイレベルなものばかりなので非常に便利なページである。欠点といえば生命科学(と一部生物学)分野しかカバーしていないため、物理・数学系の学生にとってはあまり使えないページであることだろうか。
その3.Nature Japan

世界トップレベルの学術論文誌Natureを発行するシュプリンガー・ネイチャー社の日本法人が運営するサイトである。Nature本誌及び姉妹誌の論文や学術記事について日本語でまとめている。
全文を読むには購読契約が必要だが、フリーアクセスできる範囲で十分内容は把握できるし、より詳細を知りたければ英文ページへのリンクを辿ればよい(Nature誌・姉妹誌は基本大学で購読していることが多いため)。
同社の日本語雑誌Natureダイジェストのページも同様に利用できる。

まとめ
というわけで、論文探しに使えて日本語で情報収集ができるページを3つ紹介した。いずれのサイトも定期的に情報が更新されていくので、研究の空き時間や移動時間に定期的にチェックしておくと、論文紹介のストックとして使えるだけでなく最新情報を常に仕入れて研究をアップデートさせることもできるだろうと思う。
おまけ
論文は読めたけど発表資料作りが苦手……という人のために、パワーポイントでの資料作成に役立つページを貼っておく。
なんとこちら、書籍化もされている。
